最近はNISAやつみたてNISAの流れが右肩上がりに伸びてきていますよね。
そんな中で、いつも使っている銀行から
- 「投資信託を始めてみませんか?」
- 「NISA口座を作っておいた方がいいですよ!」
といった声をかけられたりしていませんか?
結論からいくと、銀行で投資信託を購入するのは割高になりがちで、自分の思いとは違う値動きをする投資信託を購入してしまうことが多いです。
ただ、ネットを上手く使って売買することがニガテな方や、解約をすぐしてしまう可能性がある方には窓口で購入するのもありかとは思います。
夫猫(当ブログの記事を書いている人)は現役で銀行に勤めていて、今年で8年目になりました。
以前の部署では投資信託を実際に銀行の窓口で販売をしていました。
今回の記事では、銀行で投資信託を購入するのはアリなのかナシなのかを自身の経験とデータに基づいてお話していきます。
- 投資信託を始めてみたいけれど、銀行で口座を開設して始めて良いのか悩んでいる人
- 銀行で投資信託をオススメをされている人
銀行で投資信託を買うことが割高と言われている理由
ネット上の記事ではこういったテーマがよく取り上げられています。
この2つの記事からわかることは
- リアル店舗を持つ銀行などは手数料が割高の傾向があり、リターンに影響を与える
- 投資信託を銀行などで購入するのは60代以上が多い
ということです。
なぜ銀行で投資信託を購入するのは割高と言われているかといえば
購入時手数料が高いという点があります。
ここでよく耳にするのが
「同じ投資信託であれば購入時手数料は変わらないのでは?」
という質問ですが
購入する場所によって購入時手数料は変わります!
例えば「円資産バランスファンド」というバランス型の投資信託を購入しようとした際に
楽天証券では購入時手数料(買い付け手数料)が無料であるのに対して
ゆうちょ銀行で購入しようとした際には500万円未満だと1.65%の手数料がかかります
この話を聞いて
「なんだ手数料がかかると言っても、2%弱じゃないか」
と思われた方もいらっしゃると思いますが、パーセントを舐めてはいけません。
例えば100万円で始めたとすると
楽天証券は手数料が無料なので100万円からのスタートになりますが
ゆうちょ銀行の場合は100万円に手数料1.65%がかかるので16,500円のマイナスである983,500円からのスタートになります。
加えて管理費用(運用管理費用)というのが手数料としてかかってくるので、投資信託の種類にはよりますが、この手数料分をとりかえすのに1年程度かかってくる場合もあります。
日ごろ皆さんはスーパーで買い物をしていると思いますが、それと同じように、どのお店でも一緒の手数料ではないことを意識しておきましょう。
もちろん、つみたてNISAに入れられるファンドの場合は金融庁のガイドラインに沿ったものしか採用されないので、手数料が抑えられているものがほとんどなので、その中から選ぶということであればあまり差は生じないことになります。
管理費用もあなどるなかれ
よし!じゃあ購入時手数料だけに注意していればいいんだ!
という方はもう少しお待ち下さい!
投資信託には購入時手数料と同じく気を付けなくてはいけない管理費用があります。
特にインデックス投資(ある指標に基づいた動きになるように調整されるファンド、例としては日経平均225とほとんど同じような動き方をするものなど)をされる方は、どのファンドを買っても同じだろ!と思いがちなのですが、管理費用はファンドごとに差があります。

例えばどちらも同じ日経平均225に沿った動きをするファンドで、管理費用の差が0.726%なのですが3年後を見ると約3%の開きがあります
店員が売りやすいファンドをおすすめされる
投資信託のファンドを人気ランキング形式で表示している銀行があるのですが、それは一概に成績の良いファンドとは限りません。
何故かと言えば、実際に店頭で投資信託を購入するほとんどの人が初心者の方々であり、そういった方々に投資信託とはどういう仕組みであるかということを一から説明したうえで、実際のファンドを説明することになるので、初心者の人でも感覚的にわかりやすいファンドをオススメすることになりやすいからです。
例えばバランスファンドはどちらかといえば投資歴が浅い方には向いているのですが、ファンドの中に組み込まれている「株式・債権・リート」また、為替の問題もそこに合わさると今まで投資をしたことが無い人は頭がパンクすることになりやすいです。
そして結局
「いまいちわからないから、また今度にしておこうかな」
といったように断られることに繋がっていきます。
販売する側は必死なので、何とかして目の前のお客さまに購入してもらうために、出来るだけ疑問を持ちにくく、わかりやすく説明しなくてはとなります。
そうすると、日経平均に沿った値動きをするものや、NYダウに沿った動きをするもの、はたまたテーマ型(インフラ系中心の会社のみに投資するなど)など、単純な構成で出来ているファンドの説明をしがちになっていきます。
あくまで参考ですが大和証券のランキングの場合は以下のようになっており、やはり上位はこういったファンドになっているようです。
投資信託を店舗で購入する場合、お店のランキング上位に入っているものを購入してしまう傾向があるという話をよく聞きます🤔
数年前まで投資信託を販売していた身からすると、こういった商品は説明がしやすくて、魅力的に見える傾向があります🌊
全部が悪いわけではないですが👀#投資 pic.twitter.com/lGBCgjhMZc
— にゃーもち家@夫婦で楽しくブログ運営中 (@nya_mochi1) September 4, 2021
そうして結局自分の思いとは違う値動きをするファンドを購入してしまう・・・なんてことになりかねないですので、全くの無知で店舗に行くことはお勧めしません。
上記で述べましたが、決して売りやすいからダメなファンドというわけではないということを補足としてお伝えしておきますが、自分の思いとはかけ離れた値動きをしてしまって市場から退場することになってしまいかねない場合があるので、購入を決める際にはしっかりと自分の意思で決められるように基礎的な知識を持っていくことが必要となります。
まとめ
色々と述べてきましたが、銀行や証券会社の窓口で投資信託を購入することは決して悪いわけではありません。
職員の方々とお話をしながら自分にあったファンドを選んでいくことができるのであれば、全く問題がないです。
ただし、全くの無知で窓口に行ってしまうと自分の意思にそぐわない結果になってしまう可能性が大いにあります。
職員側としては実績をあげたいので「出来るだけ早く、沢山購入してほしい」という思いを持ってお話をしてきているということだけは忘れずにいてほしいです。
購入する際は
- 手数料がどれだけかかるのか
- 何が入っているファンドなのか
- どれくらいの値動きが予想されるのか
こういった点をしっかりと押さえておくことを強くお勧めします。
ただ、ここまで知識をつけてくると、自分でネットで購入したほうが購入も解約も変更も簡単にできるのではないかと思ってくるはずです。
そういった際には楽天証券などで自分で挑戦してみるのもいいと思います。
以前にまとめた記事を張っておきますので、興味のある方はこちらの記事もご覧ください!

それでもやっぱりネットはよくわからないということであれば、店頭で購入をしていくのが良いと思います。
その際は自分のアクセスしやすいお店を選択しておくことで、何かあった場合でも比較的すぐに対応ができることと思います。
この記事が参考になればうれしいです^^